高校3年間、千葉では負けなし!静かな闘志を胸に、父の声援を背に。さらなる高みを目指して。
※2022年2月:高校卒業を目前に控えた時点でのインタビューです(習志野高校ボクシング部所属/スポーツ推薦で中央大学に進学予定)。三谷ジムの先輩門下生でもあるお父さんの髙橋幸一郎さんも参加してくれて、親子インタビューになりました!

■ボクシングとの出会い
慶翔:幼稚園の年少の時、父が通っていた三谷ジムについてきたのが最初ですね。「お父さん、休みの日にいつも朝から出掛けてるけど、どこに行っているんだろう?」って思って。
父:「父親の別の顔を見せてやろう」みたいな気持ちで連れてきたんです。ジムの入門資格があるのが小学生からだったから、しばらくは見学だけでしたけど、会長からもよく声をかけてもらって、入門前からジムの空気にすっかりなじんでいましたね。
慶翔:入門は、父に強引に勧められたとかではないです。何か習い事をしてみたかったので、自分で決めました。小学校に入った当初はサッカーチームに所属していたんですけど、下手過ぎて辞めさせられちゃって(笑)、じゃあ、ボクシングにしようかって。
■入門して気づいた、「継続する」という才能
慶翔:三谷ジムでボクシングをやることは、特に「がんばっている」という意識もなく、いつの間にか習慣のようになっていましたね。学校に行く。終わったらジムに来る。グローブをつける…。一連の流れが僕にとっては当たり前のことでした。ジムの時間も含めて学校、という感じで。
父:息子は、誰に言われるでもなく、すごく一生懸命にやっていた。雨の日も風の日も、サボらない。スパーリングで、格上の子にボコボコにされながら立ち向かって行ったり。我が子ながらえらいなぁと思っていました。親としては、もし「しんどい、辞める」と言ってきたら、それはそれでしゃーないな、というスタンスだったんだけど、結果として自分の意志で12年、続けているし。特別、運動神経が良いわけでもないと思うけど、継続できることが、この子の一番の才能なんじゃないかな。
慶翔:実は中学生になった時、ちょっとだけバスケに浮気しかけたんです。でも、サッカーと同じで下手くそ過ぎたので、結局ボクシングに戻ってきました(笑)
■本気で「強くなりたい」とスイッチが入ったきっかけ
慶翔:パッと思いつくものはないですけど、スパーリング大会でボコボコになって負けたことかなぁ。相手が格上でも、やっぱり悔しくて、大泣きして。その積み重ねで、「強くなりたい」と思ったのかもしれません。
父:親の目から見ると、はっきり「こいつ、あそこから変わったな」とわかるポイントがありますよ。慶翔が中1の時に、ジムの先輩で習志野高校ボクシング部所属の選手がいて、彼が日本一になったんです。その決勝戦を一緒に応援に行ったんですよ。2人で声を枯らして応援して、その試合の後、慶翔が「俺も日本一になりてぇ」って言ったんです。あの時からじゃないかな、スイッチが入ったのは。実際、急に強くなった。
慶翔:やっぱり強い仲間がいると、「こいつに負けたくない」とか、「こいつみたいになりたい。超えたい」って思う。それは原動力になっています。ボクシングって個人競技だけど、仲間の存在って大きいですよね。
父:慶翔は、小さい頃から素直で人当たりが良くて、どちらかといえば優等生タイプ。反抗期もろくになかったんです。だから「この子は内側にこんな闘志を秘めていたのか」と知った時は感動しましたよ。それを見せてくれたボクシングに感謝しています。
■強くなればなるほど、強い相手と戦えるから面白い
慶翔:1年生の一番最初の関東予選大会から始まって、千葉県内では高校3年間、一度も負けていません。さすがに県を出たら、そうはいきませんでしたけど。
父:いまではアジアランカーになっている選手と関東大会で当たった時は、茅ヶ崎まで応援に行きました。歯が立たなくてボコボコにされるかと覚悟して見ていたら、しっかりフルカウントまで立って、善戦していた。大したもんだなと思いましたよ。
慶翔:強い相手と戦うことは刺激になります。強くなればなるほど、強敵に出会えるので、もっと強くなりたいですね。大学生になったら、大学リーグで活躍して全日本選手権優勝を目指します!
■親子にとって“当たり前”で“特別”な場所、三谷ジム
慶翔:僕にとっては「いるのが当たり前」の場所です。小中高、学校の後はずっとここにいたので。会長がいて、マネージャーがいて、仲間がいて、リングがあって。すべてが自分の生活の一部です。
父:私のような中高年もいて。プロを目指す人も、そうじゃない人も、本当にいろんな人が集まっているんです。ボクシングとの関わり方、熱量も人それぞれなのに、みんながここを居場所だと感じられる。それは会長の人柄じゃないでしょうか。素晴らしい場所だと思いますよ。私もここでは息子と、ボクシング仲間として話ができるのが楽しいですよ。自分もやっていないと「なんだ、あのスパーは」とか偉そうなことが言えないので、がんばって休まず通っています。年齢的に朝起きるのが辛くなってきてるんですけどね(笑)
慶翔:父とはずっと仲が良くて、それは三谷ジムに入る前から変わってないんですけど、やっぱりジムでの時間を共有しているからこそ通じ合えるものがあると感じています。近くで成長を見守ってくれているのが嬉しいですし。
父:我が子が一生懸命にやっていることは、見守るしかないですからね。
慶翔:強くなることが、父と会長、どちらに対しても恩返しになると思うので、がんばります!
高橋 慶翔(たかはし けいと)
年齢:18歳
身長:180㎝
階級:ライトウェルター級
戦績: 21戦17勝(10KO/RSC)4敗、UJ6戦3勝3敗(1RSC)/インターハイベスト8、関東大会チャンピオン/日本ボクシング連盟 2021年度全日本ランキング6位(男子ジュニア・ライトウェルター級) ※2022 年 2 月現在
三谷大和スポーツジム入門のきっかけ:父が通っていて興味を持った
ボクシング歴:小1から始めて12年